BIM/CAD連携機能を強化したLumiceptの新バージョン、バージョン10.53をリリース致しました。Lumiceptのバージョン10.53では、BIM/CADツールとの連携機能が強化されています。中でも目玉となるのが、Autodesk Revitで作成された建築データを変換し、Lumiceptによる照明シミュレーションに必要なデータを自動的に生成する機能「OmniPort/RV(オムニポート/RV)」。この変換は形状だけでなくマテリアルや光源についても行われるため、従来は利用者がLumicept上で改めて行う必要があった様々な設定作業を大幅に削減でき、照明シミュレーションをより迅速かつ効率的に行う事が可能となります。
その他、BIM/CADツールとの連携機能として、米Trimble社SketchUpのネイティブ・ファイルの読み込み機能の追加と、BIM用ファイル交換の業界標準フォーマットであるIFC 4のサポートが新たに提供されます。
Lumiceptバージョン10.53で追加された主要な機能の概要
1. Autodesk Revit用データからLumicept用データへの変換機能
Autodesk Revitで作成したBIMデータを用いて照明シミュレーションを実施する場合、従来はFBXやIFC等の標準的なデータ交換用ファイル形式にてデータを書き出し、それをLumiceptに読み込む形で行っていました。しかしながら、これらのファイル形式ではRevit上で設定されたマテリアルや光源等の照明シミュレーションに必要となる情報が充分に記述されないため、Lumiceptへの取り込みは形状に限定されていました。このため、ユーザーはこれらのファイルを読み込んだ後、マテリアルや光源等の設定を改めてLumicept上において行う必要がありました。
今回提供しますOmniPort/RVにより、Revit上で設定されたマテリアルや光源等の情報を、Lumiceptでの照明シミュレーションに適した形に自動的に変換する事が可能になります。形状についても、これまでのように中間ファイルを介する事無くダイレクトに変換されるため、より正確かつ高精度に行われます。これらにより、従来と比較してユーザーがLumicept上において行う作業は大幅に削減され、照明の検討までを含めた設計サイクルをより一層早める事ができるようになります。
OmniPort/RVはRevit用にプラグインが提供され、ユーザーはそのプラグインを用いてLumiceptが直接読み込めるファイル(ネイティブ・ファイル)を出力します。OmniPort/RVは、Lumiceptのユーザー向けに無償で提供されます。
![]() Revit上の元データ |
![]() 変換により作成されたLumicept用のデータ |
![]() Lumiceptによる照明シミュレーション結果 |
2. SketchUpネイティブ形式のファイルの読み込み機能
Lumiceptのバージョン10.53より、新たに米Trimble社SketchUpのネイティブ・ファイル(SKPファイル)の読み込みがサポートされます。これにより、従来必要であったデータ交換用のファイル形式(DXFやFBX等)を経由しての読み込みが不要となるため、SketchUpで作成した形状をより正確かつ高速にLumiceptに取り込む事が可能となります。この機能については、Lumiceptの標準機能として提供されます。
3. IFC 4形式のファイルの読み込み機能
Lumiceptのこれまでのバージョンでは、IFCファイルの読み込みはIFC2x3形式以前のものにのみ対応していました。Lumiceptバージョン10.53では、IFC 4 Addendum 1までの形式に対応し、ファイル内で定義されている形状を読み込む事が可能となります。この機能については、Lumiceptの標準機能として提供されます。
Lumiceptバージョン10.53に関する詳しい情報につきましては、インストール・パッケージに含まれるリリース・ノートをご参照下さい。